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憧れの36色

更新日:1月14日



親御さんから、時々質問されることがあります。




「ウチの子は、絵を描いたり、工作をするのが好きなんです。」


「家庭には画材がないので、何か用意してあげたい。」


「どんな画材を準備してあげたらいいでしょう?」




お子さんが楽しんで表現している姿を見るのは、嬉しいことです。


表現力を伸ばせるよう、より良い環境を用意しようと考えますよね。


こども達が育つ環境は、家庭によってさまざまです。

どのように育つのか、置かれた環境に大きく左右されるとも言われています。


私も子を持つ親ですので、とっても共感できます。



そういった質問を受けて、毎回このように答えています。




「今、家庭にあるもので、お子さんが満足して描いている、作っているのであれば、

そのままでいいですよ。」




はい、それでいいんです。




私事で恐縮ですが。。


こども時代は、地方の田舎で木材店を営む家に育ち、

絵を描くことが好きでしたが、画材と呼べるものは家庭にはありませんでした。


自営業でしたので、親はいつも忙しくしており、休日でも遊びにはあまり連れて行ってもらえません。

友達と遊ぶより、一人で遊ぶ時間の方が好きでした。


事務所にはコピー機があったので、コピー用紙と、机の引き出しに入っている鉛筆をこっそり持ち出しては、楽しく絵を描いていました。

(↑紙をたくさん持ち出したのがたまにバレて、よく怒られましたが)


家の外に出れば、木材の切れ端がたくさん置いてあったので、

大人用の金槌や釘をこっそり使って、楽しく大工ごっこしてました。

(↑金槌で誤って指を打ち付け出血し、とても怒られましたが)




こどもの時って、何かやってみたい事をひらめくと、

居ても立っても居られなくなってすぐやってみたくなるし、


作りたいものの材料が身近に見当たらなければ、代用できるものを探し見つけてきて、

あれこれ工夫しアレンジすることを、遊びを通して自然に行なっています。


自分のこども時代を振り返ると、

こども用に作られた商材って、実はあまり魅力的に感じられませんでした。

逆に大人達が使っているものは、なんだか魅惑的に見えて触ったり、使ってみたかったり。


それぞれの環境で家庭にあるものを、自分で選んで、使いやすさを感じ、親しみを持って表現していければ、

自然とその人の自分らしさに繋がっていくのではないのかな、と思っています。



我が子の才能を伸ばしてあげられる環境にしたい、

その気持ちがあるだけで十分です。


時に、不足をも楽しめるって、素晴らしいことだと思います。



イタズラのように見えるその行為、たまには見てないふりして、放置してあげましょう。

(↑もちろん事故に繋がらないように、気配は感じてないといけませんが)




。。。と、こんなことを書いておきながら。


末の子が5歳の頃、絵を描くことに目覚め、一日にたくさん絵を描いていた時期がありました。

絵の中で色使いを楽しんでいたこともあり、

私はふと魔が刺して、こどもの頃秘かに憧れた36色の色鉛筆セットを我が子に買ってきてしまったのです。


私の憧れを5歳にして、手にした我が子。

最初は「色がいっぱいで綺麗〜」と喜んで、使っていましたが、

何日か経つと使わなくなってしまい、


以前使っていた、元々家庭にある使い古され短くなった色鉛筆に戻ってしまいました。