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アートの境界線



「アート」って何だ?



と一言で云っても、あらゆる立場からの視点では


様々な解釈で扱われ、切るとられるものですので、


これが「アート」である、とは言い切れないと考えています。



需要と供給、能動と受動

これらの立場からより細分化された考え方、捉え方を想像するだけでも、果てしない旅になりそうです。



多様な解釈にならざるを得ない「アート」


学問として深める方もいらっしゃるくらいですから、過去に残る美術批評家達の著書を読んで理解を深めるのもいい。



知見や主観の押し付けあいに終始してしまい、ひょっとしたらあまり良い思いをお持ちでない方もいらっしゃるかもしれない、ちょっと近寄りがたい話題なのかもしれません。



如何様にもこねくり回すことのできる「アート」



こども達にとったら、そのような対話、思想はどうでも良いことかもしれないですけれど。




未就学児から小学校中学年くらいまでのこども達がいるクラスで、

「影」をテーマとした制作、表現を行ったことがあります。


机の上に縦1メートル、横2メートル程の白いシーツを画面として自立させ、

後ろから照明を当て、影絵が見られる装置をみんなで作りました。



影絵装置ができあがると、モチーフ室から様々な道具やモノを持ってきて、

それを使った影当てゲームを行います。


まずは講師で実演してから、次はこども達にバトンタッチ。


影ではあっても、みんなの前で表現することに慣れていないことや恥ずかしさもあり、始めは消極的です。



そんな中、小学校中学年の女の子(Yさんと呼びましょう)が、


「こんなのアートじゃない!」


と一言、気持ちが良いくらいはっきりと言い放ちました。



ひとまず私は、


「うん、そうかあ〜、うん、じゃあ、Yさんはみんなの様子を見てるだけでもいいよ。」


と声をかけます。



クラスの雰囲気が少しピリッとした中、影当てゲームは続きます。



小さな道具を使うよりも、大きな道具を使った方が影がわかりやすいね。


この道具を影で見ると、角度によっていろんな形に変化して見えるね。


身体は画面に対して横向きにすると人の動きがわかりやすいよ。



自分で影を表現したり、こども達の行う影を見て、答えを言ったり、考えていると、

次第にいろんな事柄を発見する発言や姿が見られるようになりました。


そうなると、もういろんなアイデアが湧いてきて、次やる!と言う声が増え、

自分のひらめきを試してみたくなります。


この道具を使ってこんなポーズをとった影を見せたら、こんな形に見えて、伝わるんじゃないかな。


うん、試してみよう!



先ほどのYさん、影の問題を当てたくてソワソワしているような気がします。。。


こちらが声をかけようとする前に、


「その影は〇〇○だよ!」


と正解を当ててくれました。


その後、毎回一番に答えを言ってしまうものだから、

そろそろ影の問題を出してー、とYさんにお願いをすると水を得た魚のように、たくさんの影問題をみんなに披露してくれました。